住宅取得で新たな負担「固定資産税」が発生。軽減するための裏技紹介
#資金計画 | 2017.07.10
お金のこと
2017.10.14
多くの場合、家を買うときには住宅ローンを組むことになります。しかし、ローンの返済シミュレーションが甘いと将来的に支払いが厳しくなる場合があるので注意が必要です。
今回は、家を買うときの住宅ローンシミュレーションを、3つのポイントに分けて解説します。
参考:
まずは金利上昇リスクを理解しましょう。金利には以下の3種類があります。
・変動金利
・全期間固定金利
・一部期間固定金利
固定金利は、固定の借入期間中は金利が変わることはないので、返済額も変わりません。
一方、変動金利を利用してローンを組む場合はその仕組みを理解しておくことが大切です。
●変動金利の仕組み
変動金利の仕組みは、簡単にいうと以下の通りです。
・半年ごとに金利を見直す
・5年に1回のペースで返済額に反映
・どんなに金利が上がっても返済額が1.25倍を超えて上がることはない
注目しておくべきは、5年に1回のペースで返済額が上がるリスクがあるということです。その上昇リスクをきちんとシミュレーションしたうえで、借入額を設定する必要があります。
たとえば、返済期間が短い場合や金利が低いうちに貯蓄をしておきたいなど目的意識がある場合などは、変動金利のメリットが十分に活かせると言えます。
●実際のシミュレーション
では、実際に2017年現在の最低水準の金利である0.5%と、10年ほど前に主流であった0.9%程度の金利で支払額を比べてみましょう。以下は、借入期間額3,500万円、元利均等返済、借入期間30年でのシミュレーションです。
・金利0.5%:月々返済額104,716円
・金利0.9%:月々返済額110,973円
このように、金利が0.4%異なると、月々6,257円、年間75,084円の違いになります。
変動金利を組むときは、ある程度金利が上がって返済額が上昇しても、余裕をもって返済できる借入金額にしておかないと、返済できなくなる可能性がでてきます。
また、住宅ローンのシミュレーションをするときには、前項で挙げた月々返済だけでなく、総返済額にも注目する必要があります。
住宅ローンは、借入期間30年以上の長期で組むことが多いので、月々は小さな金額差でも、全借入期間で換算すると非常に大きな金額になっていることがあります。
たとえば、前項と同じ例で今度は30年間の総返済額を比較してみましょう。
・金利0.5%:総返済額:37,697,691円(利息分2,697,691円)
・金利0.9%:総返済額:39,950,211円(利息分4,950,211円)
このように、金利がたった0.4%違うだけで、総返済額は約225万円もの差になっています。また、たとえば借入期間を30年ではなく35年でシミュレーションすると、以下の通りになります。
・金利0.5%:総返済額:38,158,862円(利息分3,158,862円)
・金利0.9%:総返済額:40,814,224円(利息分5,814,224円)
つまり、借入期間を5年延ばすだけで、金利0.5%の場合は約46万円、金利0.9%の場合は約86万円も総返済額が変わります。これらのことから、総返済額もきちんとシミュレーションして、借入期間と借入金額を決める必要があります。
無理をして自己資金を捻出し、借入期間を短くする必要はありません。
しかし、「金利が低いから」という単純な理由だけで借入金額を多くして借入期間を延ばすと、想像以上に総返済額は増えている場合がある点は認識しておきましょう。
また、少し余裕がある状態であれば、繰り上げ返済のシミュレーションもしておきましょう。繰り上げ返済とは、たとえば「5年後に300万円返済する」など、借入期間の途中で元金を返済することです。
元金を返済することで、返済金額はそのままで借入期間を短縮させるか、借入期間をそのままで返済金額を下げるかを選択できます。
たとえば、こちらも前項と同じ借入期間額3,500万円、借入期間30年、元利均等返済、金利0.5%で住宅ローンを組み、5年後に300万円繰り上げ返済したシミュレーションをしてみましょう。
・借入期間を3年2か月短縮
・月々8,975円減額
この場合は、上記2つのパターンのどちらかを選ぶことができます。また、従来利息は3,158,862円でしたが、繰り上げ返済したことにより2,700,327円、つまり約46万円利息分を節約したことになります。
しかし、「借入をして何年後に○○万円繰り上げ返済する」という予定は立てにくいのも事実です。
たとえば、何年後に退職をして、そのときの退職金額がどれくらい入るなど時期と支払に回せる金額が予定できるのであれば、繰り上げ返済シミュレーションを加味したうえで、借入期間と借入期間額を決めるという方法もあります。
このように、「月々返済」「総返済」「繰り上げ返済」の3つの住宅ローンシミュレーションをしておきましょう。
また、月々返済のシミュレーションをするときは、金利上昇時のシミュレーションをすることも重要です。きちんとシミュレーションすることで、無理のない返済計画を立てられます。