所得税と住民税から控除できる、住宅ローン減税とは
#資金計画 | 2019.08.20
お金のこと
2017.08.05
住宅ローンを借り入れるときは、金融機関は色々な項目を審査します。その審査項目の中で、借入者の「年収」という要素は重要であり、年収から住宅ローンの融資限度額の目安が決まってきます。
そのため、住宅ローンを組むときには「返済比率から逆算する融資限度額」を知っておくことが大切です。
年収によって変わる融資限度額を知るためには、「返済比率」を理解しましょう。返済比率とは「年間返済額÷年収×100」で計算される数値です。要は、「年収の何パーセントが住宅ローンの返済に充てられているか?」を数値化しているということです。
たとえば、以下のように、パターンごとの年収及び借入の返済比率を見ていきましょう。
・年収350万円、年間返済額120万円:返済比率 約34.2%(120万円÷350万円×100)
・年収410万円、年間返済額132万円:返済比率 約32.2%(132万円÷410万円×100)
・年収580万円、年間返済額144万円:返済比率 約24.8%(144万円÷580万円×100)
審査時には、年間返済額の計算に住宅ローンに適用される実際の金利より高い金利である「審査金利」が適用されるという点に注意が必要です。たとえば、A銀行で「借入金額3,500万円 金利0.5% 借入期間35年」でローンを組むと、年間返済額は約109万円になります。
このとき、仮に年収が400万円なら、返済比率は約27.3%(109万円÷400万円×100)になります。しかし、金融機関が審査するときには、金利3%ほどの審査金利を適用するので、審査時には返済額は約162万円として扱われることになります。
そのため、年収400万円であれば、返済比率は約40.5%(162万円÷400万円×100)になります。
前項で解説した返済比率の上限は、以下のようにされていることが多いようです。
・年収400万円未満:返済比率30%未満
・年収400万円以上:返済比率35%未満
上記はあくまで一般例ですが、多くの金融機関で上記のパーセンテージを採用しています。ただし、金融機関によっては「年収400万円以上であれば返済比率40%までなら可能」や、「年収400万円未満でも借入者によっては返済比率35%までなら可能」なところもありますので、金融機関ごとに確認しましょう。
上記のパーセンテージに当てはめると、前項で解説した「年収350万円、年間返済額120万円:返済比率 約34.2%」は返済比率がオーバーしています。返済比率がオーバーしていると、非承認になるので、まずは返済比率が収まっているかを確認する必要があります。
返済比率が収まっているかは、大抵の場合は不動産会社に聞くと分かります。不動産会社は提携している金融機関の住宅ローンを斡旋しているので、その金融機関の審査金利を知っています。
その審査金利を反映した返済比率を計算すれば、自分の年収でいくらまでなら住宅ローンを組めるかが分かります。
ただし、返済比率から融資を受けられる限度額を知った上で注意するべき点は、その限度額が「楽に返済できる金額」を意味しないという点です。返済比率から逆算した融資限度額は、あくまで「金融機関が設定している」融資限度額です。
そのため、借入者自身は、以下の点に注意して借入金額を決めましょう。
・自分の将来的な収入・支出の変動
・自分の手取り収入
・金利の変動
仮に返済比率に収まっていたとしても、それはあくまで「現時点」での収入です。そのため、将来的に収入が減る可能性も加味し、さらに今後の支出も計算しておく必要があります。
今後の支出に関しては、ファイナンシャルプランナーなどに相談すれば、ある程度精度の高い支出額を算出してくれます。
また、返済比率を算出する年収は額面の年収です。つまり、実際の手取り収入は、その額面の金額から「税金」や「社会保険料」が引かれた金額になるので、その手取り収入をベースに「返済できるか?」を考えなければいけません。
さらに、変動金利プランを選択している場合には、将来的な金利変動を見越して借入額を決めましょう。金利が上がり返済額が上がってしまった場合、返済に余裕がないと危険です。
住宅ローンを借り入れるときには、まずは借入したい額と返済比率を確認しましょう。
その後に、将来的な収入・支出の変動や「将来に渡って本当に返済できるか?」という視点で考え、無理のない借入金額を設定するこが大切です。