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#住宅性能関係 | 2019.07.04
家づくり
2017.08.29
新築物件を選ぶとき、「2×4」や「在来」という言葉を耳にしたことがある人も多いはず。いずれも日常生活では使われにくい言葉ですが、実は新築選びには欠かせない業界用語なのです。
そこで今回は、2×4と在来の意味に触れながら、それらが新築選びにどう影響するのかを解説していきます。
参考:
2×4を理解するために、日本における建築様式の主流であり、日本古来の伝統建築を元としている「在来」がどういったものかを知ることから始めましょう。
まずは2×4と在来の特徴を踏まえたうえで、2×4と在来との普及率の比較を見てみましょう。
●「壁組み工法」の2×4、「軸組み工法」の在来
・軸組工法(在来工法):基礎の上に木の土台を置いて、梁によって柱と柱を水平につなぎ、隣合う柱同士を対角線状に筋交いと呼ばれる別の補強木材で繋ぎます。筋交いを入れる量とどこに入れるか(配置)のバランスによって耐震強度が左右されます。
・壁組工法(2×4):基本的に2インチ(約5センチメートル)×4インチ(約10センチメートル)の断面の木材で作られた枠組みに構造用の合板を釘打ちした木製パネルを設置し、床、壁、天井などの面を造り上げます。六面体を基本とした面構造に特徴があります。
●2×4と在来の普及率を比較!
住宅金融支援機構がまとめた、1年間の新築着工戸数のうち注文住宅は約29万2,000戸です(対象年は2016年)。そのうち、2×4は約3万2,000戸ですが、在来は約20万7,000戸と6倍以上の開きがあります。
シェア率では、2×4が約11%、在来が約71%のため、日本古来の伝統建築である在来は、いまだに日本の文化として根付いているといえるでしょう。
2×4の特徴的なメリットは、工法の特徴でもある「面構造」に関係しています。ここでは、2×4工法の代表的なメリットを3つ解説します。
●工期が早い!
現場で木材を加工することが多い在来工法に比べると、2×4工法の木材は工場で加工するプレカットであるため、工期の短縮が見込めます。
また、2×4工法は壁と壁を組み合わせるパネル方式(面構造)を採用するケースが主流で、在来工法に見る「梁と柱などを組む」といった手間のかかる工程がないことから、工期が早いといわれています。
●耐震性が優れている!
面構造を採用する2×4工法では、家を1つの立方体と見立てたとき、壁・床・屋根の6面で家全体を支えるため、ねじれや変形に強いといわれています。
また、6面体は揺れを分散させたり、吸収したりするほか、横揺れにも強い耐震性が特徴です。
●断熱性が高い!
断熱性も面構造が関係しています。面構造の場合は、何より「壁面の面積を広く取れる」という点から断熱材が十分に施せるため、断熱性も高くなります。
また、2インチ×4インチの木材自体に高い断熱力を有することが、断熱性を高めているともいわれています。
次に目安といわれている具体的な工期日数など、在来工法と比較してみましょう。
・2×4工法の工期目安は80~120日、在来工法は90~150日
・2×4工法の耐震性は在来工法と比べて、1.5~2倍ほど高い
・2×4工法そのものが高気密高断熱(在来工法ではオプション費用がかかる)
・2×4工法は、燃えにくい材質を使うことから耐火性に優れている
・2×4工法の面構造は耐震性には強いがリフォームはしにくい(6つの壁面を柱代わりとする分、簡単に壁が取り外しできないなど)
・在来工法は柱と梁で支えている分、間仕切り調整といったリフォームがしやすい(間取りの自由度が高い)
・建築費は在来工法が安い。建築費の相場は、2×4工法が610~1,800万円、在来工法が570~1,200万円
「コストはかかるけど安全重視」という人は2×4工法による新築物件がオススメ。一方、在来工法はリフォームが可能なので、子どもの成長に合わせて間取りを広げるなど、長期的な運用を検討している人には最適かもしれません。
それぞれにメリット・デメリットはあります。どちらがよいか迷ってしまうという場合は、建築工法を熟知した住宅販売店が開催する「新築相談会」に参加して、自分たちが実現したい暮らし方を整理して、アドバイスを受けてみるのも一つの手といえるのではないでしょうか。