消費税増税で住宅ローン返済額はどう変わる?
#資金計画 | 2019.08.06
お金のこと
2018.01.11
低金利時代が続く中で、過去に住宅ローンを組んだ場合には借り換えたほうがお得な場合があります。しかし、借り換えの際には何に注意し、どのような点を重要視して借り換えるべきか意外と知られていません。
今回は、賢く住宅ローンを借り換えるためのポイントを解説します。
まずは、実際の金利を比べてみて、支払いにどれだけの違いが出るかを確認しましょう。仮に、住宅ローンの借入額が3,800万円、元利均等返済で借入期間30年の住宅ローンを組んでいるとします。そのときに、金利1.1%の住宅ローンから0.6%の住宅ローンに借り換えた場合のシミュレーションです。
このときのシミュレーションは、以下の順番で行います。
・残債を確認する
・それぞれの金利で支払い額を計算する
●残債を確認する
仮に、前項の条件で住宅ローンを組んだときは、以下のような残債になります。
・5年後:約3,241万円
・10年後:約2,660万円
・15年後:約2,046万円
・20年後:約1,397万円
・25年後:約712万円
住宅ローンを借り換えるときは、その時点の残債をベースに借り換えるので、まずは今の残債をチェックしましょう。金融機関から「ローン償還表」という書類が毎年郵送されてくるので、その償還表を見れば残債が分かります。
●それぞれの金利で支払い額を計算する
次に、金利ごとに支払い額を計算します。仮に、前項の条件で、10年後の残債を2,660万円と考えて借り換えたとしましょう。その場合は以下のような支払い額になります。
・金利1.1%:月々123,976円
・金利0.6%:月々117,643円
このように、月々返済額は6,333円下がるので、年間約7.6万円、借り換え後の20年間の総額でいうと約152万円支払い額が下がるという計算です。このように、月々返済だけでなく、年間や総返済額で比較してみましょう。
ここでの注意点は、借入期間を元の借入期間に合わせるという点です。今回のケースでいうと、30年で組んでいる状態で支払い期間が10年経過しているので、新たな住宅ローンは20年の借入期間で組む必要があります。
上記のように、金利による返済額の違いが分かったと思います。次に考えるべきことは、借り換えるときの諸費用です。住宅ローンを借り換えるときには、現在住宅ローンを組んでいる金融機関へも、新たに住宅ローンを組む金融機関へも諸費用を支払います。
●現在住宅ローンを組んでいる金融機関
諸費用額は金融機関によって異なりますが、一般的には以下のような金額です。
・抵当権抹消費用:5~6万円程度
・一括繰り上げ返済手数料:3~5万円程度
まず、抵当権を抹消するときに支払う登録免許税と、登記をする司法書士への報酬がかかります。また、一括繰り上げ返済に対しての手数料もかかります。また、保証料を支払っていれば、ローンの残期間分の保証料は返還されるので、その点も含め金融機関へ確認しましょう。
●新たに住宅ローンを組む金融機関
また、新たに住宅ローンを組む金融機関へも、以下の費用がかかります。
・印紙代(金銭消費貸借契約締結時)
・登記関係費用
・手数料、保証料
上記は、借入期間によっても異なりますし、金融機関によっても大きく異なるので金額は明記しません。いずれにしても、諸費用は金融機関で確認し、借り換え時に得をする総返済額と比較をしてから、借り換え判断をしましょう。
このように、住宅ローンの借り換えは、金利が下がるからといって必ず得するわけではありません。金利差もありますが、借り換え時の諸費用なども計算する必要があります。
そのため、住宅ローンの借り換えのシミュレーションを自分だけで行い、借り換えを判断するのは難しいと言えます。だからこそ、きちんと専門家と相談をして、住宅ローンの借り換えをするべきかどうかのアドバイスをもらうことが大切になってきます。
おすすめは、不動産会社などが開催する無料相談会へ行くことです。住宅ローンについて相談できる相談会もあるので、住宅ローンの借り換えのときは、ぜひ利用してみてください。
このように、住宅ローンの借り換えは、単純に金利の低いプランにすれば良いというわけではないので、しっかりとしたシミュレーションが必要です。また、今後の教育費・老後資金などを加味して考える必要もあるので、その点からも相談会へ行き、プロのアドバイスをもらいましょう。