新築戸建ては維持費の理解が大切!将来的な支出を考えた物件探し
#資金計画 | 2017.08.09
家づくり
2017.07.11
マイホーム選びを考えるときには、間取り・デザイン・立地などの希望条件はもちろん、販売価格もはずせないものです。
そうしたなかで、生活開始後のランニングコストまで視野に入れた「ライフサイクルコスト」という考え方が採用されつつあります。
ライフサイクルコストを意識して住宅を選べば、販売価格以上の資産価値が望めることも。
そこで今回は、住宅におけるライフサイクルコストの活用ポイントをまとめてみました。
住宅を入手するときにかかる初期費用から生活開始後のランニングコストまでを含むすべてのコストが「ライフサイクルコスト」です。
新築購入で考えれば、建築費はもちろん、生活開始後のメンテナンスや修繕費用、建物が寿命を迎えた際の解体費用など、「建物の一生にかかるすべての費用」がライフサイクルコストになります。
●実はイニシャルコスト<ランニングコスト!
マイホームを購入するとなると、販売価格から予算を立てるのが一般的です。ところが、ライフサイクルコストで見てみると、実はイニシャルコスト(初期費用)より「生活後のランニングコスト」の方が、圧倒的に上回るといわれています。
具体的な金額で表すと、約1,600万円で新築物件を購入した場合、30年後のランニングコストは約2,500万円、50年後には約3,500万円に達する、という研究結果も報告されています。
前述したことを踏まえると、ライフサイクルコストを抑えるためには、ランニングコストをいかに抑えるかが鍵を握るといえます。ここでは、ランニングコストを抑えるための、主なポイントをピックアップしてみました。
ランニングコストといえば、生活するうえで継続してかかる費用や継続して住宅を使い続けるためにかかり続ける費用が対象になります。
水道・電気・ガスなどの「水光熱費」はもちろん、経年劣化に伴う床・ドアノブ・電球・排水管・外壁塗装といった「修繕費」も視野に入れておきたいところです。
水光熱費の対策としては、エアコンの温度を省エネ設定にする、水道設備を調節することで水量を減らす、ガスの利用メーターを活用して毎日のガス使用量を調節するなどが一般的といえるでしょう。
●修繕費対策は日々のメンテナンスが大切
修繕費の節約は、日々の手入れや掃除などの「メンテナンス」がポイントになります。例えば、木のフローリングでは水が染み込むと劣化を早めるので、日々の掃除は乾拭きにして、月に1回はワックスを塗るなどが挙げられます。
また、ドアノブには潤滑油を施す、LED照明を使用する、パイプ洗浄剤を使って定期的に排水口の油汚れを落とす、外壁塗装の汚れを水で軽く洗い流す、水漏れ防止策として雨樋にたまったゴミを取り除く、といったひと手間かけることもランニングコストの節約につながります。
イニシャルコストの2倍以上にもなるといわれるランニングコストを抑えることは、ライフサイクルコスト自体の軽減に有効な策といえます。ですので、設計の段階からランニングコストの節約を意識した住宅づくりを検討すれば、より大幅なコスト削減が望めるといえるでしょう。
住まい選びには、建物の経年劣化だけでなく、年齢による住宅改修も視野に入れる必要があります。段差が多くある住宅では、将来的に改修工事に伴う費用がかかることになるため、家を建てる段階からバリアフリー設計を導入することでライフサイクルコストを抑えることができます。
●内部の資材や外壁塗装などの耐久性
例えば、耐震性のある材質を使用していれば、地震による損害も軽減でき、頑丈なことから耐久性も期待できます。
また、直射日光などの影響を受けやすい外壁塗装では、耐久性の高い塗料を使用することで、塗り替え周期を長くすることも可能です。
●高断熱・高気密住宅
高断熱・高気密住宅とは、断熱材を用い住宅内と外で温度の交換が起こりにくくしたうえで、できるだけ隙間をなくすことで住宅の内と外で空気の交換が起こりにくくし、高い断熱性と気密性を実現した住宅のことです。
そのため、「夏場の暑さをカットして涼しい空気が循環する」かつ「冬場の寒さを遮断して暖かい空気を充満させる」という“自動冷暖房”のような特徴を持っています。
そのほか、今回ご紹介した以外にも、住宅の安全性にかかわる耐震構造、ホームセキュリティーや光センサーなどの防犯対策も、コストこそ要するものの人命優先を考えれば、かけるべきライフサイクルコストといえるでしょう。
青森県では、今回ご紹介したことを踏まえた「事前相談会」を開催しているハウスメーカーもあるので、専門家の意見を聞いて賢い住宅選びをしてみては。