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#住宅性能関係 | 2019.07.18
家づくり
2017.08.13
注文住宅のメリットといえば、自分の理想を形にできること。外観なら好みの色で仕上げることができたり、内観では間取りを自在に設計できたり、建売住宅にはない「オリジナル」な一面が魅力です。
とはいえ「希望した完成イメージと違う」「あまりにも予算よりオーバーしている」「工期が頻繁に遅れる」など、注文住宅の依頼で起こりうる問題点も多く聞かれます。では、そうした問題が原因で業者とトラブルになった場合は、どうすればよいのでしょうか?
今回は「トラブルの相談」について見てみましょう。
参考:
注文住宅でトラブルが起きた際に、相談窓口になるのが「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」です。
ここでは、住宅リフォーム・紛争処理支援センターがどんな相談に応じてくれるのか、という点に触れながら、そのメリットや特徴についても解説します。
●どんな相談に応じてくれるのか?
住宅リフォーム・紛争処理支援センターとは、建設住宅性能評価書が交付されている住宅(評価住宅)や住宅瑕疵(かし)担保責任保険が付いている住宅(保険付き住宅)にトラブルが発生した場合、裁判以外の紛争についてあっせん、調停、仲裁を行ってくれる専門の相談機関です。
同センターは、たとえば注文住宅に瑕疵(欠陥や欠点)があったときの賠償責任や契約解除(瑕疵担保)の手続き方法を知りたい、住宅取得にかかわる専門家を紹介して欲しい、建築業者や物件選びでの注意点を知りたい、注文住宅における保険や保証制度を知りたい、といった相談に対応しています。
また、住宅リフォーム・紛争処理支援センターは、基本的には無料で相談に対応してくれます。
●住宅リフォーム・紛争処理支援センターの特徴&メリット
住宅リフォーム・紛争処理支援センターを利用すれば、資金計画に詳しい「ファイナンシャルプランナー」から登記手続きのプロである「司法書士」や「土地家屋調査士」まで、住宅取得にかかわる全ての専門家を紹介してもらえるので、公平かつ専門的な判断が得られます。
一方、住宅トラブルの相談に対しては、裁判に発展しないよう「紛争解決手続」を採用しているのが同センターの特徴です。紛争解決手続では、前述した各専門家の介入はもちろん、全国の弁護士会によって設置された「住宅紛争審査会」の協力が得られたり、解決にいたるまでの過程が迅速かつ非公開で実施されたりと、購入者側が不利益にならないよう配慮されています。
解決費用も1万円の申請手数料のみなので、気軽に利用しやすい相談機関といえるでしょう。
注文住宅は依頼者の希望やこだわりを反映させる一方、それらが多いとイメージ通りの仕上がりにならない場合も少なくありません。
完成するまでは施工側と綿密な打ち合わせを何回も重ねるものですが、「希望通りに施工したことで予算がオーバーした」「施工側が依頼者のこだわりをくみ取れないことで工期が延長した」「完成してから家の中が暗いと感じた」などのトラブルがあるのも現状です。
●「保険加入の確認」「制度の事前活用」「費用の支払い時期」がポイント!
注文住宅でのトラブルは、追加工事や工事代金にかかわるものが多いといわれているため、それらに対応できる3つの解決方法を把握しておくと役に立ちます。
1つ目は、業者側が「住宅瑕疵担保責任保険」に加入しているかどうかを確認することです。保険に加入している業者は、追加工事などの補修でかかった費用を保険金として受け取れます。業者が保険に加入していることで工事代金の補助を受けられるため、仮に予算がオーバーしても金銭トラブルに発展する可能性は低くなるでしょう。
2つ目は、住宅性能表示という制度による「紛争解決手続」です。紛争解決手続は10項目の基準が設けられている住宅性能表示のクリアを前提条件としています。第三者機関が実施する住宅性能表示は別途費用を必要とするものの、住宅取得の事前相談のときから申請できるので、早めの活用がポイントです。
3つ目は、費用の支払い時期に注意することです。追加工事の際、その費用を着手前に一括で請求される場合もあります。ただ、工事の確認もせず事前に工事代金を支払った結果、トラブルに発展したというケースが多いため、「着手金と後払いの分割を利用する」など、完成後まで支払いを引きのばし、工事の本質を見極めることが大切です。
注文住宅での手続きを交わす際に欠かせないものが、工事請負契約書です。依頼者と施工業者の間で工事請負契約を結ぶなか、それを証明するのが工事請負契約書であり、そこには総額となる工事請負代金も記載されています。
ところが、施工業者によっては工事請負契約書だけで済ませ、見積書がないまま着手するケースも少なくありません。
●見積書を細かくチェックする!
見積書は義務付けられているものではありませんが、工事請負代金の内訳として作成するのが一般的です。見積書には工事で使用する材料の金額はもちろん、材質や人工代なども記載されています。
ただ、書式や記載方法に規定がないほか、施工業者によっても異なるものです。特に依頼しようとしている施工業者が見積書を提示してくれなかったり、提示された見積書が「壁紙一式」「床材一式」で済ませるなど、必要とする平米数や枚数の記載がない、かなり雑な見積書だったりした場合には要注意。後々のトラブルにつながるケースもあります。
注文住宅を依頼する際は、しっかりと見積書を確認してから工事請負契約に移れば、トラブルを回避しやすいでしょう。
「いつトラブル対策をするのか」「誰にトラブル相談をするのか」「どうやってトラブルを解決するのか」ということを整理して把握できれば、予算内での「理想の注文住宅」が実現しやすくなります。
注文住宅を依頼する場合は、希望するデザインや設備面が多くなるほど、打ち合わせの回数も増えるものです。
そうしたケースでのトラブル対策も視野に入れながら、理想とする注文住宅を目指してみてはいかがですか。