不動産購入時には火災保険の「特約」を知っておこう
#火災保険 | 2017.07.13
お金のこと
2017.07.14
新築物件を購入する際には、必ずといってよいほど火災保険へ加入することになるでしょう。
しかし、火災保険を「火災だけに対応した保険」と認識している人も多いようです。
実は、火災以外のケースでも補償の対象になる場合があるのです。
そこで今回は、火災保険とはどういった保険なのかという基本的なことから解説します。
火災保険は「住まいの総合保険」ともいわれている保険です。以下のケースも補償対象になる場合があります。
・火災
・水漏れ
・落下や飛来物による損傷
・盗難
・集団行動に伴う暴力や破壊行為
・水災・風災・雪災
このように、火災保険は「火災」による被害だけではなく、そのほか家が損傷するおそれのあるリスクに対して対応しています。例えば、隣家の水漏れにより自分の家が損傷した場合にも補償対象になりますし、風などに飛ばされた飛来物による損傷も補償対象です。
また、「建物」だけを補償するのか「家財」も補償するかを保険に加入する際に加入者が選びます。「建物」とは、建物の基礎部分や水まわり設備などのことを指し、「家財」は家具・家電などのことを指します。
例えば、家財も補償されるプランを選んでおくと、落雷によって家電が壊れたというようなケースでも補償を受けることができるようになります。
仮に、家財も補償する場合には、自ら補償してくれる金額を決めます。例えば、高級な家財がある場合などは、保険会社から受け取る保険金を高く設定します。ただし、保険金を高く設定するほど、加入者が支払う保険料は高くなるので、どの程度補償していくかはよく吟味する必要があります。
また、マンションの場合には、エントランスなどの共用部や居室に関係ない躯体部分は、管理組合(マンションの入居者)で火災保険に加入しています。そのため、マンションで火災保険に個別加入するときは、「自分の部屋」だけが対象になります。
鉄筋コンクリート造のマンションよりも火災リスクが高い木造一戸建ては、火災保険への加入は必須といえます。火災保険に加入する際の注意点は「期限」です。
そもそも、住宅を購入するときに住宅ローンの融資を受けると、火災保険への加入が融資条件になります。原則は、住宅ローンの借入期間中ずっと火災保険へ加入することになりますが、2015年10月以降は火災保険の加入期間が最長10年に変更されました。
そのため、ローンの借入年数によっては火災保険が途中で切れてしまう場合があります。対策としては、火災保険へ加入するときに「10年自動継続方式」を利用することです。10年自動継続方式は、火災保険の期限が切れても、火災保険の内容を変えずに10年ずつ自動更新していく仕組みです。
住宅ローンで家を購入すると、基本的には「10年自動継続方式」の火災保険プランになります。そのため、住宅を現金で購入して、自動継続方式を選ばなかった人は、特に火災保険の期限切れに注意しましょう。
また、仮に「10年自動継続方式」を選択した場合で、途中で補償内容の変更などを行いたい場合は、個別で火災保険会社へ連絡して再度加入する必要があります。今まで必要としなかった内容だからといって、コスト面から判断をして補償内容の見直しの際に外すと、もしものときに補償がなくなります。充分に吟味することが大切です。
住宅におけるライフサイクルコストとは、以下のような費用が挙げられます。
・住宅費(土地取得費用、建築費用)
・メンテナンス費用
・光熱費
・税金関係(固定資産税など)
・リフォーム費用
・解体費用
・火災保険料
つまり、住宅のライフサイクルコスト(以下ライフサイクルコスト)とは、設計費用や土地取得費用などのイニシャルコストと、メンテナンス費用や光熱費などのランニングコスト、それに火災保険料を合わせた、生涯に必要な住宅にかかるコストのことを指すのです。マンションの場合は、メンテナンス費用は「修繕維持積立金」になりますし、解体費用はかかりません。
ライフサイクルコストを考えるとは、上記に挙げた「住宅に関してかかる費用」をすべて計算したうえで、火災保険のプランも考えるということです。
すべての支出をシミュレーションして、今後どのくらいのお金が継続的にかかってくるのか。また、今の住宅を火災保険に加入することでどのくらい補償するべきなのか。そして、その補償するために必要なお金はいくらかかるのかを把握しましょう。
このライフサイクルコストを考えたうえで火災保険を決めることが、適切な火災保険を選ぶための重要なポイントになるでしょう。
火災保険の内容と加入する際のポイントを考えたうえで、さらに家のライフサイクルコストを理解しておくことが重要です。理想は、そのライフサイクルコストまで教えてくれる、ノウハウを持った不動産会社に購入を相談することです。
そうすれば、ライフサイクルコストを加味した、適切な火災保険への加入をサポートしてもらえるでしょう。